学研まんが人物日本史紫式部 はなやかな源氏絵巻

学研まんが人物日本史紫式部 はなやかな源氏絵巻 の詳細

世界最古の長編小説「源氏物語」の作者・紫式部の伝記漫画です。百人一首のなかのひとつ「めぐりあいて見しやそれともわかぬ間に雲隠れし夜半の月かな」でも知られる彼女は幼い頃から漢詩や物語に親しむ才女でした。しかし、父親は貴族といっても身分は決して高くはなく、年の離れた男性と結婚して娘には恵まれたものの夫の浮気に悩む日々。そして、やがて夫は疫病に掛かって世を去る。彼女は幼い娘と取り残された。幼い頃に自身の母と姉を亡くしている紫式部は世の儚さを感じたことであろう。この経験が元にもなって、現実社会の苦しみを織り交ぜた名作「源氏物語」の執筆が開始されたのである！これを友人や知り合いの女房たちに見せていたものが噂となって宮中に伝わり、中宮・彰子の女房となるのだった。同時代に活躍したライバルの「清少納言」は既に中宮・定子の女房として出仕していて、「枕草子」を執筆していたので宮中では知られた存在であったが、紫式部とは出仕した年代が合わないためお互いの名は知ってはいただろうが、宮中での面識はあったのかどうなのか・・・・・・・・・・？当時の宮中では藤原一族が権勢を振るい、自分の娘を帝の后とすることで天皇の外祖父になり家を発展させていた。そのため、自分の娘である皇后の元には知識・教養・家柄に優れた女房たちが多く集まっており、そういった人間が集まると派閥争いや権力争いが繰り返され、表面的には華やかな「平安時代」とはいっても家柄や身分による差別が甚だしく、紫式部も辟易していたようである。やがてゆっくりと時は移り、道長の権勢は強まるも横暴な振る舞いが目立ち、娘の彰子まで道長に反抗するようになる。その際に道長は紫式部が彰子に悪影響を与えたなどと血迷って、紫式部を宮中から追放する。もはや、年老いた父親と娘しかいない生活。姉も弟も世を去り、愛する人を次々と失った紫式部もやがて衰えていくのでした。当時の平均寿命は30歳ということで、紫式部は40代半ばにして世を去っている。源氏物語が続編「宇治十帖」を含めて完成したのは式部死の前年とも言われている。しかし、彼女の書き残した物語は千年の後の現代において、各国語に訳されて世界の人々を魅了し続けているのです。