ロートレアモン全集 (ちくま文庫)
石井 洋二郎 / 本
ロートレアモン全集 (ちくま文庫) - 石井 洋二郎によるロートレアモン全集 (ちくま文庫)は筑摩書房 (2005/2/9)によって公開されました。 これには503ページページが含まれており、本というジャンルに分類されています。 この本は読者からの反応が良く、4人の読者から4.1の評価を受けています。 今すぐ登録して、無料でダウンロードできる何千もの本にアクセスしてください。 登録は無料でした。 サブスクリプションはいつでもキャンセルできます。
ロートレアモン全集 (ちくま文庫) の詳細
この本を見つけたり読んだりすることにした場合は、ロートレアモン全集 (ちくま文庫)の詳細を以下に示しますので、参考にしてください。
タイトル : ロートレアモン全集 (ちくま文庫)
作者 : 石井 洋二郎
ISBN-104480420460
発売日2005/2/9
カテゴリー本
ファイル名 : ロートレアモン全集-ちくま文庫.pdf
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ロートレアモン全集 (ちくま文庫) - 内容(「BOOK」データベースより) 残虐な暴力が炸裂する悪夢さながらの光景、静かにたちのぼる祈りにも似た慰藉の響き―いまなお強烈な毒を孕んだ麻薬的魅力で人を惹きつけて放さない『マルドロールの歌』、深い謎を秘めた『ポエジー』など、モンテビデオに生まれ、パリでその短い生涯を終えた詩人の極限に紡がれたテクストを、清新な訳でおくる。最新の研究をふまえたコンパクトな註解を付す。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ロートレアモン 本名イジドール・デュカス。1846年、南米ウルグアイの首都モンテビデオ生まれ。南仏のタルブとポーの高等中学校で学んだ後、パリに上京し、「ロートレアモン伯爵」の筆名で特異な散文作品『マルドロールの歌』を刊行。1870年に24歳で死去。生前はまったく無名であったが、20世紀になって再発見され、今日ではランボーなどと並ぶ最も重要な詩人のひとりとして熱狂的な読者の支持を受けている 石井/洋二郎 1951年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授(地域文化研究専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カテゴリー: 本
ロートレアモン全集 (ちくま文庫)を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
本書について、端的に表現する事は非常に難しいです。また、作者についても、研究は進んでおりますが、未だ判っていない謎の部分が余りに多いです。19世紀後半のフランスで、「ロートレアモン伯爵」というペンネームを用い、散文詩集『マルドロールの歌』『ポエジー』を遺し、24歳の若さで世を去った詩人、イジドール・デュカス。彼が残したほぼ「全て」のものが、本書には収録されています。彼がどんな人物であったか、その正体は、近年研究が進み新しい資料が発見されるまでは、殆ど知られておらず、それ故、ダリら多くの芸術家たちが、空想の肖像画を多く描き残していた程です。私が大学で学んだ範囲では、このロートレアモン伯爵について、彼が遺したのは先に挙げた「2つの詩集と、1枚の肖像写真、それと6通の書簡だけ」、とされていました。本書には、ロートレアモン本人の「全身」が写った、たった一枚の貴重な肖像写真、それに加えて、これまで「6通」しか現存しないとされていた書簡に、「もう1通」が加えられた、「全7通」の書簡が収められています。その「もう1通」とは、1868年11月に書かれた、ヴィクトル・ユゴー宛の手紙です。なんと1980年に、ユゴーの亡命先の住居「オートヴィル・ハウス」にて発見されたもの。これはロートレアモン研究に関しては最新の情報と言って良いでしょう。また、「文庫版解説」には、ホメロスの詩集『イーリアス』に彼が遺したスペイン語の書き込みの写真も掲載されています。もちろん、『マルドロールの歌』と『ポエジー』が全編、詳細な注釈と共に収録されており、彼がどのような思いを持ちながら散文詩を書き続けたのか、非常に深く理解できるように編まれています。このように、本書は、文庫でありながらロートレアモン伯爵という謎多き詩人に関する、最新の研究資料も、作品と合わせて収録されています。文学作品として鑑賞するのもよし、謎多き作者についての研究資料を眺めるのもよし。充実した内容であると思います。しかし、気をつけて下さい。『マルドロールの歌』の冒頭で、「踵を返せ、前進するな」と作者が読者に向けて警告を発しています。「余りに毒が強いから、わかる人、わかりたい人だけが読まないと、アタマがおかしくなるからね」という事です。本書に収録されている作品『マルドロールの歌』『ポエジー』の持つ、妖気・狂気の横溢に加えて強く発せられる独特の熱さや、「作品として生き残る」だけの「命」を持った呪詛のような言葉の数々に、実際に触れてみるだけで何とも言えぬ魔術にかかったような感覚に引きずり込まれます。「アタマがおかしくなりそう」。しかし、ただその一言で片付けられるような奇をてらっただけの作品ではありません。「踵を返せ、前進するな」― この警告を退ける勇気のある読者のみが、作品の本質を理解できる。そしてその本質とは、人間が生来抱え持っている「闇」そのものなのでしょう。他のレビュアー様も書いておられましたが、この、ロートレアモン伯爵という、作品も作者も共に謎多き、孤高の詩人の作品を、文庫として手軽に入手できる機会は、今後そう多くはなくなるかも知れません。作品に対してもそうですが、私個人としては、謎の詩人の人物像にどうしても触れたかったので、この文庫に作品と共に収録された貴重な「最新の研究資料」に目を通せたことが、とても嬉しく思っております。■参考:思潮社版『ロートレアモン全集』との比較■マーケットプレイスで比較的入手しやすいお値段の『ロートレアモン全集』(渡辺広士・訳、思潮社・刊)には、『マルドロールの歌』『ポエジー』と「6通」の書簡、それと、ちくま文庫版に掲載されていないイジドール・デュカスに関する2通の公文書である「出生証明書」「死亡証明書」が収録されています。その他比較すると、「マルドロール第一の歌」表紙(当時の物)と、肖像画一点(これは、ダリが描いた空想の絵。キャプションは付いていませんが、他の書籍ではそのように紹介されています)、一通の「ファクシミリ」(出版社に宛てた直筆の文書)を見ることができます。しかし、現存するたった1枚の肖像写真や、残り1通のユゴー宛書簡、それと『イーリアス』への書き込みは未収録です。ロートレアモン伯爵の生涯に関する貴重な公文書2通(出生・死亡証明書)を含む上記資料をご覧になりたい方で、かつ、他の訳者による翻訳を楽しみたい方は、こちらも合わせてお読みになられるのも宜しいかも知れません。
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